こんにちは。
群馬県高崎市でめっき事業を手掛けるネオプレテックス株式会社です。
金属めっき加工は、製品の美観、耐食性、耐摩耗性、導電性などの向上を目的とした表面処理技術です。
しかし、適切な手順を踏まなければ、めっきの剥離や不均一な仕上がりなどの品質トラブルにつながります。
本記事では、初心者の方でも失敗しない金属めっきを実現するために、必ず確認すべき3つの重要なポイントを解説します。
目次
めっきの品質は前処理で決まると言っても過言ではありません。
適切な前処理を行うことで、めっきの密着性と均一性が向上します。
金属表面の油分や汚れはめっきの密着不良の原因となります。
アルカリ脱脂や溶剤脱脂を行い、油分を完全に除去することが重要です。アルカリ脱脂では、70‑80℃の水酸化ナトリウム溶液に5‑10分間浸漬し、その後十分な水洗を行います。
酸洗いは、金属表面の酸化皮膜を除去し、活性化された金属表面を露出させる工程です。
硫酸や塩酸を使用し、鉄鋼材料の場合は5‑10%濃度で1‑3分間処理します。酸洗い後は、必ず水洗を行い、さらに中和処理を施すことで残留酸を除去します。
めっき液の状態管理は、均一で高品質なめっきを実現するための重要な要素です。
めっき液の温度は、めっき金属の種類によって最適値が異なります。
例えば、ニッケルめっきは50‑60℃、亜鉛めっきは20‑30℃が一般的です。温度が高すぎると電流効率が低下し、低すぎると析出不良が発生するため、±2℃以内の精度で管理することが推奨されます。
めっき液の金属イオン濃度は、定期的な分析により管理します。
亜鉛めっきの場合、亜鉛イオン濃度は20‑40g/Lが適正範囲です。添加剤は光沢や均一性を改善するために使用されますが、過剰添加は逆効果となるため、メーカー推奨の濃度を厳守することが大切です。
めっき後の適切な処理と検査は、製品の品質保証に不可欠です。
めっき後は直ちに水洗を行い、めっき液が製品に残留しないようにします。
温水洗浄後、エアブローや熱風乾燥で水分を除去します。特に凹部や隙間には水が残りやすいため、十分な乾燥時間を確保することが重要です。
目視検査では、めっきの光沢、均一性、変色、ピンホールなどを確認します。
密着性試験としては、テープ試験(JIS Z 0322)やベンド試験(JIS H 8502)が一般的です。テープ試験は、めっき面に粘着テープを貼り付けて剥がし、めっきの剥離を確認する簡易的な方法です。
金属めっき加工で失敗しないためには、以下の3つのポイントを確実に実施することが重要です。
前処理:脱脂・洗浄と酸洗い・中和を丁寧に行い、めっきの密着性を確保する
めっき液管理:温度と濃度を適切に管理し、安定した品質を維持する
後処理・検査:確実な水洗・乾燥と外観・密着性検査で品質を保証する
これらの基本を押さえることで、初心者でも高品質なめっき加工を実現できます。
実践を重ねながら、さらなる技術向上を目指しましょう。
ネオプレテックス株式会社は、長年培ってきた技術と経験をもとに、高品質なめっき加工を提供しています。
お客様のご要望に合わせた最適な加工方法をご提案し、丁寧な施工で満足のいく仕上がりを実現します。
めっきについて詳しく知りたい方、加工を依頼したい方は、ぜひネオプレテックス株式会社にご相談ください。