めっきは「表面だけの処理」に見えて、実は形状・寸法・接合・検査まで含めた“設計”で結果が決まります。めっき前提設計とは、めっき工程で起きる厚みムラ・密着不良・外観差・電食・嵌合不良を、図面段階で先回りして潰す考え方です。本記事では、後工程トラブルを減らすための基本配慮をチェックリスト化します。
目次
| トラブル | 設計側の原因 | めっき前提設計の対策 |
|---|---|---|
| 嵌合が入らない/ねじが固い | めっき後寸法の未考慮、除外部位未指定 | めっき後寸法で公差設計、ねじ・嵌合は除外/後加工を明記 |
| 端部だけ焼け・過厚 | 鋭角エッジ、電流集中しやすい形状 | 面取りR、補助電極前提の治具スペース確保 |
| 内面が薄くて性能不足 | 深穴・盲穴・狭隙の設計 | 排液/排気穴、流路径の余裕、無電解の併用検討 |
| 外観ムラ/治具痕が目立つ | 見せ面の指定なし、治具接点位置の未配慮 | 見せ面/非見せ面を図示、治具痕許容面を指定 |
| 密着不良(剥がれ) | 既存皮膜や熱変色を残したまま | 皮膜除去の指示、前処理条件の前提化(ストライク含む) |
| 電食・早期腐食 | 異種金属接触、停滞水が残る形状 | 絶縁・排水設計、材質組合せの見直し、バリア層追加 |
目的:優先順位①○○ ②○○ ③○○。
素材:○○(履歴:熱処理/既存皮膜の有無)。
層構成:○○→○○→○○(膜厚:各t=○μm)。
寸法:図面寸法はめっき後基準(嵌合・ねじ・摺動部)。
除外:ねじ山・嵌合・シール面はめっき除外(マスキング)。
形状:エッジR≈××、排液/排気穴あり(位置図参照)。
測定:XRFで測定点A/B/C、下限t≥○μm(エッジ±××mm除外)。
外観:見せ面=添付図、照度○lx、距離○cm、等級票No.○。
Q. Rはどのくらい付ければいい?
用途・サイズで最適値が変わるため、一律値は本記事では確認できていません。ただし「角を残す」より「小さくてもRを付ける」方が、焼け・過厚・剥離のリスクは下がります。
Q. 深穴はめっきできますか?
可能ですが薄くなりやすいです。排液/排気、姿勢、補助電極、無電解併用などを前提に設計します。
Q. めっき後に研磨する前提でも良い?
良いです。重要寸法が厳しい場合は、めっき→研磨/ラップの前提を図面に明記すると安定します。
最終更新:2025年12月28日(日本時間)。
