ネオプレテックス株式会社
コラム
COLUMN
2025.03.21

知って驚く!身近な「めっき」が使われているモノとは

更新日:2025.06.21

こんにちは。
群馬県高崎市でめっき事業を手掛けるネオプレテックス株式会社です。

普段何気なく使っている身の回りの製品に、実は「めっき」という技術が使われていることをご存知でしょうか。
スマートフォンから自動車、医療機器まで、めっき技術は私たちの生活を支える重要な役割を果たしています
本記事では、めっきの基本的な仕組みから、驚くほど身近に存在する製品例、さらには環境への配慮まで、わかりやすく解説します。

そもそも「めっき」って何?その基本をわかりやすく解説

めっきの定義と種類

めっきとは、金属(場合によっては処理を施した非金属)の表面に薄い金属膜を形成させる表面処理技術のことです。主な方法には、電気めっき、無電解めっき、溶融めっきなどがあります。

電気めっきは電解液中で電流を流し、金属イオンを被処理物の表面に析出させる方法で、最も一般的なめっき技術です。金めっき、銀めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっきなど、用途に応じてさまざまな金属が使用されます。

無電解めっきは化学反応を利用して皮膜を形成する方法で、複雑な形状でも均一な膜厚を得ることができます。溶融めっきは、溶かした金属に基材を浸漬する方法で、トタン(亜鉛めっき鋼板)などに利用されています。

めっきが使われる理由とは

めっきが幅広く使われる理由は主に4つあります。第一に防食効果です。たとえば鉄製品に亜鉛めっきを施すことで、酸化によるサビの発生を抑え、製品の寿命を延ばせます。

次に装飾効果です。金や銀のめっきを施すことで、美しい外観と高級感を演出できます。アクセサリーや時計、食器などに多く用いられています。

また、電気的特性の改善も重要です。金は電気抵抗が低く酸化しにくいため、電子部品の接点に適しています。銅めっきは導電性に優れ、プリント基板の配線に用いられます。

最後に機械的性質の向上です。硬質クロムめっきは表面硬度を高め、耐摩耗性を向上させるため、工具や機械部品に多く使用されています。

身近に潜む「めっき」製品たち

家の中で見つかるめっき製品

家庭内には意外なほど多くのめっき製品があります。キッチンのシンクや蛇口には、ニッケルめっきの上にクロムめっきを重ねた二層めっきが施され、美観と耐食性を両立しています。

スプーンやフォークなどの食器類には、銀めっきやクロムめっきが使われ、美しい輝きと実用性を兼ね備えています。

浴室のシャワーヘッドや金具にもクロムめっきが施され、湿気の多い環境でも腐食しにくく、美観を保ちます。鍵や南京錠には亜鉛めっきやニッケルめっきが施され、屋外での使用に耐えられるようになっています。

家具のハンドルやヒンジ、照明器具の金属部分などにも、さまざまなめっきが施されています。

オフィスや学校にあるめっきの例

オフィスでは、事務机の金属部分や椅子の脚にクロムめっきが施され、耐久性と美観を両立しています。ホッチキスやクリップ、定規などの文房具にも、ニッケルめっきや亜鉛めっきが使われています。

学校では、机や椅子のフレーム、実験器具、体育館の設備などにもめっき処理が施され、耐久性と安全性を高めています。

パソコンやプリンターなどのOA機器の金属部分にも、静電塗装と組み合わせてめっきが使われることがあります。

スマートフォンや家電にも活躍

スマートフォン内部の電子基板には金めっきが施され、信頼性の高い電気接続が可能になります。外装の金属フレームにもアルマイト処理や装飾めっきが使われ、美観と耐久性を両立しています。

テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電製品では、内部の電子部品に金、銀、錫などのめっきが使われます。外装にも装飾と防食を兼ねためっきが施される場合があります。

自動車のキーレスエントリーやカーナビシステムにも、信頼性の高い電子接点として金めっきが用いられています。

めっきと環境問題・リサイクルの関係

有害物質の規制と対応

環境保護の観点から、めっき工程に使われる有害物質の使用規制が厳格化されています。従来使われていた六価クロムは発がん性が指摘され、現在ではより安全性の高い三価クロムへの代替が進んでいます。

鉛を含むめっきについても、健康リスクの観点から使用が制限され、代替材料の開発が進められています。

また、水質汚濁防止法や大気汚染防止法に基づき、めっき工場の排水や排ガスには厳しい基準が設けられています。日本の企業では、環境マネジメントシステムの導入や高度な排水処理技術の導入が進んでいます。

リサイクル時の処理や注意点

めっき製品のリサイクルでは、基材とめっき層を分離して処理する必要があります。電子部品では、金や銀といった貴金属を回収し、再利用する技術が確立されています。

自動車や家電のリサイクルでは、材質別に分別されためっき部品がそれぞれ適切に処理されます。たとえば、亜鉛めっき鋼板は製鉄所で新たな鋼材へと再生されます。

また、めっき工程で発生する廃液は中和・沈殿処理され、金属を含むスラッジは専門業者により回収されます。こうした取り組みは、循環型社会の形成に貢献しています。

まとめ|「めっき」は生活を支える縁の下の力持ち

普段の暮らしで意識してみよう

ここまで見てきたように、めっき技術は私たちの生活のさまざまな場面で活用されています。スマートフォンを手に取るとき、キッチンで料理をするとき、車に乗るとき、オフィスで働くとき——どれもめっきの恩恵を受けています。

ふだん意識することの少ない技術ですが、こうして振り返ることで、ものづくりを支える技術への理解と感謝の気持ちが深まるのではないでしょうか。

技術の進化で広がる可能性

めっき技術は現在も進化を続けており、ナノテクノロジーや新素材との融合により、これまでにない機能を持つめっきが実用化されつつあります。

また、環境に配慮した技術も注目されており、再生可能エネルギー、次世代自動車、航空・宇宙分野など、新たな産業領域でも活躍の場が広がっています。

私たちの暮らしと産業を支える「縁の下の力持ち」として、これからの社会においてもめっき技術はますます重要な存在となっていくことでしょう。

めっきのことならネオプレテックスへ

ネオプレテックス株式会社は、長年培ってきた技術と経験をもとに、高品質なめっき加工を提供しています。お客様のご要望に合わせた最適な加工方法をご提案し、丁寧な施工で満足のいく仕上がりを実現します。

めっきについて詳しく知りたい方、加工を依頼したい方は、ぜひネオプレテックス株式会社にご相談ください。

投稿者プロフィール
ネオプレテックス株式会社
ネオプレテックス株式会社
群馬県高崎市にある老舗のめっき会社。クロムめっき、ニッケルめっき、銅めっきなどを手掛ける。
大型の層を配備しており、長尺物などに対応可能。