ネオプレテックス株式会社
コラム
COLUMN
2025.07.25

クロムめっきのメンテナンスと剥がれを防ぐための日常点検法

更新日:2025.11.21

クロムめっきはツヤ(外観)耐候性が魅力ですが、汚れや水分、塩分が残ると点食(小さなサビ)や剥がれの起点になります。今日からできるメンテ習慣早期発見の点検ポイントをやさしくまとめました。

ポイント

  • 水分と汚れを残さない(洗う→拭く→保護)。
  • 角・端・合わせ目から劣化が始まりやすいので重点チェック。
  • 強い研磨や硬いブラシはNG(微細傷→点食→剥がれの連鎖)。

日常メンテの基本手順

  • ① 洗う:ぬるま湯+中性洗剤をやわらかいスポンジ/マイクロファイバーで。砂粒は最初に流水で流してから。
  • ② 拭く:清潔なマイクロファイバーで水分を完全に拭き取り。水滴の乾き跡(ウオータースポット)を防止。
  • ③ 保護:月1回目安で樹脂系コーティング/ワックスを薄く。ツヤ維持+汚れ離れUP。

やってはいけないこと(傷と剥がれを防ぐNG集)

  • 金属たわし・メラミンスポンジ・研磨剤入りクリーナーの多用。
  • 酸・アルカリの強い薬剤を長時間放置。
  • 乾拭きで砂をこする(線キズの原因)。
  • 塩分や薬品が付いたまま屋外放置(海沿い・融雪剤は要注意)。

使用環境別のひと工夫

  • 海沿い・沿岸部:帰宅後に淡水で軽く流してから拭き取り。塩分を残さない。
  • 冬季(融雪剤):付着後は早めに洗浄→乾拭き。週1で保護剤を上塗り。
  • 屋内保管:湿度60%以下を目安に換気。布カバーは乾いた状態で。

剥がれを未然に防ぐ「日常点検」チェックリスト

  • 角・端・穴周り:色ムラ/虹ムラ/ザラつきがないか。
  • 合わせ目・ネジ部:白い点(白サビ)や茶色い点(赤サビ)の出始めがないか。
  • 触感:ツルツル感が急に変わった部位(引っかかり/ブツ)がないか。
  • 水弾き:弾きが落ちた面は保護皮膜が弱っているサイン(ワックス再施工)。

月1メンテ(10分でOK)

  • 通常洗浄+乾拭きの後、コーティング/ワックスを薄く塗布(重ね塗りは薄く2回まで)。
  • 水が残りやすいビス頭・エッジを重点的に乾拭き。
  • 保護剤のはみ出しは隙間に汚れを溜めるので拭き上げで均一化

点食(小サビ)やウロコ跡が出たら

  • 軽いウロコ跡:中性クリーナー→水洗→すぐ乾拭き。残る場合はクロム対応の微粒子クリーナーを「柔らかい布で軽圧」&局所使用。
  • 点食の出始め:洗浄→防錆タイプの保護剤を薄く。広がる場合は早めに専門業者へ。
  • 赤サビが面で広がる:下地金属まで到達のサイン。自力研磨は悪化しやすいので、再仕上げ/再めっきの相談を推奨。

剥がれの前兆サイン(早期発見の目安)

  • 端部の浮き・白濁(膜が浮いて見える、白いモヤ)。
  • 爪が引っかかる段差(境界やキズ周り)。
  • 点状のブツ/膨らみ(ブリスターっぽいふくらみ)。

注意:剥離テストとして強力テープを貼ってはがす方法は、かえって悪化させる場合があります。目視・触感の範囲に留め、異常が続くときは専門業者へ相談してください。

小物~車両まで共通の「道具セット」

  • マイクロファイバークロス(数枚)
  • 中性洗剤(自動車用/住居用の中性タイプ)
  • やわらかいスポンジ/ブラシ
  • 樹脂系コーティング/ワックス(クロム対応)
  • 細部用綿棒・柔らかい刷毛(エッジ・ビス周り)

Q&A

Q. メラミンスポンジは使えますか?
基本は非推奨です。細かな研磨傷が点食の起点になります。どうしても使う場合は極軽圧+局所のみ

Q. 家庭用防錆スプレーはOK?
クロム対応の表示があるものに限り、薄く均一に。ベタつくタイプは埃を抱き込みやすいので避けます。

Q. どのくらいの頻度でワックス?
屋外保管や海沿いは月1回、屋内保管は2〜3か月に1回が目安です。

まとめ(最小労力で長持ち)

  • 汚れたら早めに洗う→拭くだけでも寿命が伸びる。
  • 劣化の起点は角・端・隙間。そこだけ念入りに。
  • 迷ったら強い薬剤・強研磨は使わないのが安全。

免責・不明点

  • 本記事は一般的な目安です。素材・仕上げ・使用環境により最適なメンテ方法は異なります。
  • 研磨剤・薬剤の可否は製品の取扱説明書(メーカー推奨)を優先してください。
  • 広範囲の点食/ふくれ/剥がれは、再仕上げ(研磨/再めっき)の検討が必要です。

最終更新:2025年11月21日(日本時間)。本記事は本記事時点の公知情報に基づいています。

投稿者プロフィール
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ネオプレテックス株式会社
群馬県高崎市にある老舗のめっき会社。クロムめっき、ニッケルめっき、銅めっきなどを手掛ける。
大型の層を配備しており、長尺物などに対応可能。