銅(Cu)めっきは「電気をよく通す」「はんだ付けがしやすい」ことで広く使われます。本記事では、導電性(抵抗の低さ)を高めるための実務ポイントと、実際に活躍する業界・用途を整理します。
目次
| 項目 | 狙い | ポイント |
|---|---|---|
| 前処理の徹底 | 密着と連続皮膜 | 脱脂→活性化→(必要に応じ)下地処理。残渣や油分は局所的な高抵抗の原因 |
| 浴管理(酸性硫酸銅など) | 低抵抗の析出 | Cu・酸・塩化物・光沢剤を適正範囲に。過度の有機添加は抵抗↑の要因 |
| 厚み設計 | 断面積↑=抵抗↓ | 配線・導体は必要な最小抵抗から逆算。深穴・溝は回り込み限界を考慮 |
| 粒径・結晶制御 | 散乱低減 | 粗すぎても細かすぎても損失増。浴条件と電流密度で適正化 |
| 熱処理(低温アニール) | 欠陥低減・導電性↑ | 用途により実施。寸法変化・外観変化に注意 |
| 表面酸化対策 | 接触抵抗↓ | 軽い活性化リンス、防変色処理(例:防錆皮膜)を用途に合わせて選択 |
| 上層仕上げ | 接触安定・はんだ性 | 必要に応じてNiバリア→Au/Tin等。導電・接触安定は向上するがコスト増 |
| 形状配慮 | 実効抵抗の低減 | 角は軽いR、排液・排気穴で厚みムラを抑え、導通経路を確保 |
Q. とにかく抵抗を下げたい。何から始める?
まずは厚み設計と浴管理(不純物・過添加を避ける)。次に接触面の仕上げ・酸化対策をセットで行うと効果的です。
Q. 銅の上にニッケルを載せると抵抗は上がる?
表面がNiになる分、表面の接触抵抗は変わります。耐変色・拡散バリアを優先したい場合にNiを使い、必要に応じてAu/Tin等で接触面を最適化します。
Q. 樹脂パーツも導電化できる?
前処理→無電解銅→電解銅の順で金属化できます。軽量化と導電を両立したいときに有効です。
最終更新:2025年11月14日(日本時間)。本記事は本記事時点の公知情報に基づいています。
