「クロム・ニッケル・銅、どれを選べばいいのか」「膜厚や層構成はどう決めるのか」。めっき仕様は“経験則”だけで決めると、外観クレーム・早期腐食・接触抵抗増・寸法不良につながります。仕様決定は、用途→環境→素材→層構成→検査の順で詰めるとブレません。本記事では、クロム(Cr)・ニッケル(Ni)・銅(Cu)それぞれの“決まり方”をテンプレ化します。
目次
| めっき | 主な役割 | 仕様が決まるポイント |
|---|---|---|
| クロム(Cr) | 外観(色調・ツヤ)/表面硬化(耐摩耗)/清掃性 | 装飾か硬質か、外観基準、摺動条件、研磨の要否 |
| ニッケル(Ni) | 耐食の土台/拡散バリア/下地(外観の決定層) | 単層か多層か、均一膜厚の必要性(無電解Ni-P)、熱履歴 |
| 銅(Cu) | 導電・はんだ性/平滑化下地/熱拡散 | 接触抵抗の目標、酸化対策(Sn/Au等上層)、電食対策 |
| 目的 | 層構成の例 | 決め手 |
|---|---|---|
| 外観+耐食 | 半光沢Ni+光沢Ni+薄Cr | 色調見本、外観等級、耐食試験条件 |
| 耐摩耗(摺動) | 下地Ni→硬質Cr(研磨) | 荷重・速度・潤滑、粗さ(Ra)と寸法精度 |
| 導電・接点 | Niバリア→Cu薄層→Sn/Au | 接触抵抗Rc、挿抜回数、酸化・硫化環境 |
| 複雑形状の均一膜厚 | 無電解Ni-P(必要に応じ上層) | 深穴・内面の均一性、熱履歴での物性変化 |
| 防錆(鋼)+接点 | Zn/Zn-Ni+接点だけCu/Sn | 電食対策、接点は低抵抗仕様、選択被覆の可否 |
注意:膜厚や成分の“統一標準値”は用途・設備で変わるため、本記事では一律値は提示しません。試験条件とセットで最小必要厚を合意します。
目的:優先順位①○○ ②○○ ③○○。
素材:○○(熱処理:有/無、既存皮膜:有/無)。
層構成:○○→○○→○○(膜厚:各t=○μm)。
膜厚:XRFで測定点A/B/C、下限:t≥○μm(エッジ±××mm除外)。
寸法:図面寸法はめっき後基準。
除外:ねじ山・嵌合・シール面はめっき除外(マスキング)。
外観:見せ面=添付図、照度○lx、距離○cm、等級票No.○。
耐久:塩水噴霧○h、接触抵抗Rc≤○mΩ(荷重××N、××回)など。
Q. 「とりあえずNi」ではダメですか?
ダメではありませんが、目的が耐食なのか、外観なのか、バリアなのかでNiの種類(単層/多層/無電解)が変わります。用途優先順位と環境条件を先に固定してください。
Q. 膜厚の標準値は?
用途・環境・層構成で変わるため、一律の標準値は本記事では確認できていません。試験条件とセットで最小必要厚を合意してください。
最終更新:2025年12月28日(日本時間)。
